長時間暴風で倒伏/台風9号
キビ、葉裂ける被害/県、市が農作物調査実施
8日昼から宮古島地方を暴風域に巻き込んだ台風9号。農作物では、サトウキビが強風にあおられて倒伏したり、葉が裂けたりする被害が各地で見られた。県や宮古島市は9日に被害調査を実施。10日に品目ごとの被害額を公表する。
台風9号は、猛烈な風を伴って北上。宮古島地方は長時間にわたり暴風にさらされた。特に多良間島は台風の中心が通ったため被害の広がりが懸念される。
農作物は基幹作物のサトウキビのほか、オクラ等でも被害が出ているものとみられる。ここまで順調に生育していたサトウキビは横倒しになり、葉の多くが裂ける被害が発生した。
ただ、梢頭部や茎の折損被害は少なく、甚大な被害は免れたよう。今後は塩害対策が重要になりそうだ。
県や市、製糖工場、JAなど関係団体は9日午後に被害調査を実施した。複数班に分かれて各地の被害状況を調べて回った。
それぞれサトウキビの葉が裂ける被害は確認したものの、「折損系の被害は最小限に抑えられているのではないか」(参加者)とみている。
市農林水産部の福里匡次長は「長い時間、暴風が吹いたが、現場を確認したところ甚大な被害はないものと思われる」と話した。
上野のサトウキビ農家の川満長英さんも「もちろんゼロということはないと思うが、大きな被害はないのではないか」とみる。その上で台風の接近前に雨が少なかったことに触れ、「このまま雨が降らないことを最も心配していたが、たくさん降った。雨をもたらしてくれた台風だった」とプラスの面も強調した。