サトウキビで2億3000万円/台風9号の農作物被害
市「散水で塩害対策を」
宮古島市は10日、台風9号の農作物等被害速報を発表した。それによると被害額は2億3565万円で、被害の99%をサトウキビが占めた。サトウキビは倒伏が見られるものの梢頭部折損は少なく、被害率は3・7%と低かった。市農林水産部の松原清光部長は「スプリンクラーによる散水などで塩害対策をしてほしい」と呼び掛けた。
サトウキビの被害額は2億3234万円。比較的被害が大きかったのは、下地と上野の両地区。作型では株出栽培で梢頭部折損の割合が高かった。松原部長は「キビは7~9月が成長する。製糖期までには回復するのではないかと見ている」と述べた。
野菜の被害額は308万円だった。主な被害はオクラ。露地栽培のため、強風による果実の擦れなどを受け、10日程度の出荷停止が見込まれている。
果樹の被害額はマンゴーの20万円。主力のアーウィン種が収穫をほぼ終了しているため、被害はキーツ種と夏小紅(リペンス)種の一部で、強風による落果が確認された。果実の擦れが見られ、今後品質の低下が心配されている。
台風9号は、宮古島地方を8日から9日にかけて約20時間、暴風域に巻き込んだ。最大瞬間風速は平良下里の46・6メートル。予報よりは勢力は発達せず、中心気圧は925ヘクトパスカルだった。
雨量は7日正午から9日正午までに▽平良下里222ミリ▽城辺新城272ミリ▽宮古空港256ミリ▽下地島空港197ミリ-となり、各地でまとまった雨量が観測されている。
一方、県農林水産部も10日、県全体の台風9号被害報告を発表した。それによると被害総額は3億472万円。宮古の被害額が県全体の約8割に上った。