紫イモ生産量161トン/18年宮古島産
過去最高、拠点産地へ弾み/菓子用ペーストで人気
市農政課が、宮古島産紫イモの2018年産生産実績をまとめた。市いも生産販売組合が出荷した紫イモは前期作と比べて20トン多い161トンで、過去最高の実績となった。そのほとんどがコーラル・ベジタブル社を通して国内外に出荷された。販売額は2415万円だった。市が認定を目指している県の拠点産地化に向けて、視界は良好だ。
宮古島産紫イモは、紫色の鮮やかな色合いと美味に加え、目に良いとされるアントシアニンのほか食物繊維を豊富に含む健康食材として注目を集めている。
この紫イモをペースト状にした加工品の引き合いが内外で強い。特に菓子類での利用が多く、売れ行きや消費者の評価はすこぶる良いという。原料を買い付けて加工するコーラル・ベジタブル社は香港などへの出荷実績があり、さらなる販路の拡大も期待される。
こういった高需要を受けて、宮古島産紫イモの生産基盤は年々拡充し、18年は13・1ヘクタールで栽培された。適度な降雨もあり、2期作とも品質は良かった。使用品種は「ちゅら恋紅」で、反収も1・2トンと上々。栽培農家数は34戸だった。
市いも生産販売組合の上地雅己組合長は「18年は適度な雨も降って出来は良かった」と振り返り、「宮古島での紫イモ生産は生産量も年々増え、順調に進んでいる。拠点産地の認定に向けて一生懸命取り組んでいきたい」と話した。
市は紫イモを戦略品目に位置付け、拠点産地の認定を目指している。拠点産地に認定されると紫イモの認知度アップはもとより、産地指導や各種事業の導入において、県の積極的な支援を受けることができる。
市農林水産部の福里匡次長は「紫イモは国内外で需要が高く、市としても取り組みを強化している」と評価し、「今年度内の拠点産地認定を目指して手続きを進めたい」と話した。