「離島振興」の議論開始
宮古観光の課題で意見も/次期振興計画向け
【那覇支社】次期沖縄振興計画の策定に向け、離島地域などについて議論する「離島過疎地域振興部会」(部会長・嘉数啓琉球大学名誉教授)の第1回会合が20日、那覇市の南部合同庁舎で開催された。現行の計画である「沖縄21世紀ビジョン基本計画」の実績について県の担当者から報告があったほか、委員からは宮古地区などでの「オーバーツーリズム」についても発言があった。
「沖縄21世紀ビジョン」は2021年度末で期限を迎える。県は、新たな振興計画の策定に向け、県振興審議会にある九つの部会で議論を進める方針で、同審議会からの答申を経て来年度中には新たな振興計画の素案をとりまとめるとしている。
20日の初会合では、委員から「(オーバーツーリズムで)宮古の地元の人は困っている。宮古を離れようという人も、だいぶ出てきている」「宮古島は世界の島しょ発展のモデルケースになると思っている。環境と経済社会振興を両立させる島にしたいが、現状はそうなっていない。(今後)議論を深めたい」との声が上がった。
このほか、「それぞれの離島で、どういう観光が望ましいかを考える必要がある。欧州ではクルーズ船の規制に入っている。良質な観光を求めるべきだ」という意見も出された。
県の担当者からは「宮古は非常に発展しているが、人口が平良地区に移動して上野や城辺の一部では地域が維持できないという現状もある」との指摘もあった。
同部会は年内に今後4回開催される予定で、11月中旬には議論のとりまとめを行う。