取水管敷設工事進む/市海業センター
総事業費は3億円超
平良狩俣地域にある市海業センターそばの沿岸域で、しゅんせつ作業船を使った取水管敷設工事が急ピッチで進められている。取水管は全長480㍍、管直径0・5㍍で、そのうち320㍍は前年度に完了し、残り160㍍は9月中に完成させる予定。供用開始後は、稚魚・稚貝を育てる種苗生産量の飛躍的な増加、育てた稚魚・稚貝を海に放す種苗放流量の増大などが期待されている。モズク種付け効果による飛躍的な増産も予想されている。
海業センター整備事業の一環で実施し、沖縄振興特別推進交付金(一括交付金)を活用している。
前年度の1工区事業費が1億8200万円、今年度の2工区事業費1億9500万円。二つの工区を合わせた事業費は3億7700万円で、国が80%、市が20%をそれぞれ負担する。
新設の取水施設を利用し、良質で安定した海水温の海水はマイナス10㍍から取り入れる計画。
現在、種苗生産している施設は水深の浅い海水を使用。このため、暑い日には水温が度を超えることから、種苗生産への悪影響が指摘されていた。一定の安定水温の確保が課題だった。
海業センターにおける種苗生産、育成、放流活動を継続実施することで、水産資源の保全、回復に努めるとともに、つくり育てる漁業を効率的に推進していくため、センターの機能強化を図ることを目的に同工事が実施されている。
センターでは「安定した海水温の確保で、種苗生産の持続的な発展になる」と早期の供用開始に期待を込める。