「離島振興」24項目を要請/宮古・八重山の5市町村
【那覇支社】宮古島市の長濱政治副市長と多良間村の伊良皆光夫村長など宮古・八重山5市町村で構成する「美(か)ぎ島(すま)美(かい)しゃ市町村会」の首長らは23日、県庁を訪問し、県外へ出荷する農水産物への輸送費を補助する「流通条件不利性解消事業」の維持と品目の追加、多良間地区での農業農村整備、離島生徒派遣に対する支援継続など24項目の要請書を提出した。富川盛武副知事が対応した。
長濱副市長は「今、香港へ紫イモをペースト状で輸出しているが、加工品なので不利性解消事業の品目から外れている。イモは生で輸出できず、やむを得ずペースト状にしているのに、(対象)品目から外れているのはどうか」と述べ、輸送費補助の対象に加工品を加えるよう求めた。
また、「宮古島市の旧郡区は過疎化が進んでいる。ここを何とか手当てしなければならない」とも述べ、通常の地方債より有利な「過疎債」を発行できる国の認定が継続されるよう要請した。
このほか、副知事との懇談では、下地島空港について「飛行機がタッチアンドゴー(訓練)で来るが、(空港を使用するための)値段が高すぎる。柔軟に対応してほしい」とも語った。
伊良皆村長は、「多良間島は山がなく土層が薄いため、土が不足して有効な土地改良ができない。過去にも宮古島から(土を)運んだが、費用がかかるのでストップしている。ぜひ復活させて有効な土地改良事業を進めてほしい」と述べた、石垣-多良間間の航空路線復活への協力も求めた。
富川副知事は、要請に対し「離島振興は県政としても非常に重要な課題なので、皆さまと連携しながら進めていきたい」と応じた。「下地島空港の重要性は認識している」「沖縄の観光をけん引しているのは石垣・宮古の力が相当強い」とも語るなど、離島振興へ意欲を見せた。
会談には、宮古島市区選出の座喜味一幸県議(沖縄・自民党)、亀濱玲子県議(社民・社大・結)らも同席し、県に離島振興への注力を求めた。