1万1915頭、受託料3079万円/18年度牛ヘルパー事業
利用ニーズ依然高く/農家の高齢化浮き彫りに
宮古和牛ヘルパー利用組合(砂川勝也組合長)はこのほど、肉用牛の飼養管理や競り市場への輸送業務などを受託するヘルパー事業の2018年度実績をまとめた。受託頭数は前年度比204頭減の延べ1万1915頭、受託料金は微増の3079万円だった。依然利用ニーズは高く、農家の高齢化に伴う労働力の減退という課題を映し出している。
肉用牛ヘルパーの内容は▽飼養管理▽市場▽削蹄-が主。料金の半分は国が補助するという事業だ。
飼養管理は冠婚葬祭で島外に出るときに利用できるサービスで、ヘルパーが畜主に変わって牛の世話をする。市場ヘルパーは牛を輸送したり、市場で販売したりする業務をヘルパーが担う。市場と削蹄ヘルパーは特にニーズが高く、年々利用件数が伸びている。
利用料金は飼養管理ヘルパーが1日5000円(基本料)。市場ヘルパーは販売が1頭2000円で、輸送が同3000円となっている。削蹄ヘルパーは子牛が1頭3000円、成牛は同3500円の設定だ。
18年度のサービス別受託頭数と受託料は、飼養管理が2850頭で前年度より544頭減少した。受託料は同比で50万円ほど少ない324万円だった。
市場ヘルパーの利用頭数は前年度より251頭多い2953頭、受託料は63万円増の766万円。削蹄の頭数は6112頭で、受託料は前年度比23万円増の1989万円だった。
これら18年度の利用実績について、ヘルパー利用組合の砂川組合長は「ニーズは高い」と総括した。その上で市場ヘルパーの利用率の高さに触れ、「(生産農家の)高齢化が進んでいることが背景にあるが、これに加えて兼業の農家が多いために若い人の間でも利用が増えていると思う」と現場の実態を踏まえた。
削蹄については「生産農家の意識の高さが数字で表れている」と評価し、「削蹄は競りの価格にも影響してくるし、発情期の牛に負担を掛けないという点でも重要だ。そのことへの農家の意識が高い」と話した。