弾薬庫建設10月にも着工か/城辺保良地区
沖縄防衛局「速やかに用地取得」
城辺保良地区の「保良鉱山」への陸上自衛隊弾薬庫建設が10月にも着工との一部報道を受け、沖縄防衛局は23日、宮古毎日新聞社の取材に、現時点では用地取得や工事着手の時期は具体的に決まっていないと回答し、建設工事の時期について否定も肯定もしなかった。ただ、速やかに用地取得し造成工事に着手する方針を示していることから同鉱山を運営する建設会社が起こした土地の時効取得の裁判の結果次第では10月着工の可能性もある。
沖縄防衛局は本紙の「10月着工とあるが地権者との話し合いが進み用地取得のめどが立ったのか」との質問に、「現時点では用地取得や工事着手の時期が具体的に決まっているところではないが、今後速やかに用地を取得し、その後工事の準備が整い次第、造成工事に着手したいと考えている」と回答した。
また、「防衛省においては現在、保良地区の用地取得に向けて地権者等と調整をしているところであり、火薬庫の完成時期は確定していない」と述べた。
同鉱山については運営する建設会社が地権者や相続人を相手に時効取得を求める裁判を起こしている。時効取得は他人の土地でも10年ないし20年の長い期間使っているという事実があるとその人の名義になる制度。同鉱山およびその周辺地権者は13人で登記上、所有者名がない土地も存在するという。
この建設会社の社長は裁判が継続中であるため、売買契約ができないことを示唆したものの要件が整い次第、早期に売却したい意思を示しているため、裁判の判決時期次第では早期に売買契約を締結し、10月にも着工となる可能性もある。
建設される弾薬庫に保管される弾薬の種類については▽地対空誘導弾▽地対艦誘導弾▽中距離多目的誘導弾▽迫撃砲弾-などとなっており、沖縄防衛局では「これ以上の詳細については自衛隊の能力が推察される恐れがあることから差し控える」と述べた。
防衛省は引き続き保良鉱山の用地取得に向けて地権者などと調整を進める方針。