海保が新宿舎整備へ/旧空港ターミナル跡地
部昇格、人員増に対応/22年4月運用目指す
平良下里の旧宮古空港ターミナルビル跡地に海上保安庁が宿舎を整備する方針だ。現在は土質地盤調査などを実施しており、同庁では2022年度からの宿舎運用を目指している。宮古島海上保安部は16年に「部」に昇格し、人員が大幅に増えたことから職員の住居確保が課題となっており、新たな宿舎建設で緩和されるとみられる。
同宿舎は民間の資金、経営能力及び技術的能力の活用により、効率的かつ効果的な整備を行うため「PFI法」に基づく事業として実施する方針。事業としては民間事業者が施設の設計と建設、10年間の維持管理業務を務める。海上保安庁はその期間中に宿舎施設の設計、建設、維持管理費用を分割して支払うというもの。
建設される宿舎は約9950平方メートル。合計87戸(管理人室1戸含む)を計画している。建設予定地は航空局無線設備と隣接しているため、高さ9メートル以下が目安となっている。
スケジュールは今年12月に入札を行い、20年2月に落札者を決定。4月に事業契約を締結し整備に着工。22年4月からの運用開始を目指している。同庁ではこれまでに2回の説明会と1回の現地見学会を実施しており、現在は土質地盤調査と磁気探査調査を実施している。
尖閣諸島周辺海域等の継続的な監視・警戒等を強化するため、16年10月に宮古島海上保安部に昇格。19年4月までには規制能力強化型の巡視船が計9隻配備されている。これに伴い、16年当時は55人体制だったが、19年3月には213人体制となった。
急激な人員増に加えて、市内でアパートなど賃貸住宅の空室が極めて少ない状況が続いていることを踏まえて、同部では「人員増加で職員の約7割が民間アパートを借りている」現状だと説明し、宿舎を整備することで課題解決に期待を寄せた。