1651億円を概算要求/沖縄公庫、来年度予算
離島教育資金の拡充目指す
【那覇支社】沖縄振興開発金融公庫(川上好久理事長)は30日、2020年度の予算要求で、今年度と同額の1651億円を概算要求したと発表した。教育資金の貸し出し金利を優遇する「離島利率特例」の貸付限度額を150万円から350万円に拡充することも盛り込まれた。
川上理事長は会見で、「沖縄特有の地域課題を踏まえながら、潤いと活力に満ちた『やさしい社会』の構築に向け、全力で予算確保に取り組んでいく」と決意を述べた。
1651億円のうち、貸付枠は1630億円。内訳は、「産業開発資金」700億円、「中小企業等資金」710億円、「住宅資金」70億円、「農林漁業資金」60億円、「医療資金」50億円、「生活衛生資金」40億円となっている。出資枠は総額21億円で、「企業等に対する出資」14億円、「新事業創出促進出資」7億円となった。
産業開発資金700億円の目的として、同公庫は「世界水準の観光リゾート地の形成のためのホテル建設等を支援するため」を挙げた。中小企業等資金710億円では、「中小規模、小規模事業者等の経営基盤強化、セーフティーネット機能の発揮と沖縄の将来を担う人材の育成等を支援する」などとした。
産業開発資金のうち、「沖縄自立型経済発展貸付」では、「沖縄都市モノレール(ゆいレール)」の3両編成化に向けた事業計画を後押しするため、貸付限度額を所要資金の7割以内から8割以内に拡充するとした。同事業計画については、償還期間を25年以内から30年以内に拡充する政策も盛り込まれた。
また同貸付の内、「民間資金活用型社会資本整備事業」(PPP・PFI)については、公営事業の民営化促進を図るために、地方公共団体等の資産の貸付等を受けて事業を追加するとしている。
このほか、同公庫では、深刻さが指摘されている「子どもの貧困対策」として、「一人親世帯の就労支援」などを行う事業所に対して特例措置を設けて、従来通り積極的な支援策を行う方針。