345億9000万円を概算要求
尖閣警備強化で海上保安庁
【那覇支社】海上保安庁は31日までに、2020年度の概算要求を行った。このうち、尖閣諸島での領海警備体制の強化などに前年度予算費比30・7%増の345億9000万円を計上した。同庁は、新たにヘリコプター搭載型巡視船2隻と大型巡視船2隻の整備を始める方針。
政府は18年5月、「尖閣領海警備体制の強化等について緊急的に整備を進める」などとする海洋基本計画を閣議決定している。同庁は、同基本計画などをもとに、尖閣諸島の領海警備と、それ以外に発生する可能性がある大規模事案へ同時に対応できる体制の整備を進めている。
新規で予算要求されたヘリコプター搭載型巡視船は、総トン数が約6000㌧、全長140㍍で、ヘリコプター2機を搭載することができる。災害対応や捜索監視、輸送などの能力を持つとされ、2隻とも23年度の就役予定。
大型巡視船2隻は、総トン数が約3500㌧、全長120㍍で、災害対応能力や規制能力があるという。同巡視船は22年度と23年度に1隻ずつ就役する。
同庁は、新たに予算計上した以外にも、22年度までにヘリコプター搭載型巡視船2隻と大型巡視船2隻、巡視船搭載ヘリコプター2機を就役させる計画で、これらの費用も概算要求に盛り込まれた。