「夢諦めないで」/上野小創立記念行事
上地登さんが講演
上野小学校(本村晃則校長)は4日、同校の体育館で学校創立129年記念行事を開催した。児童239人は胸を張って堂々と校歌を斉唱し祝った。講師に招かれた大嶺ファーム代表の上地登さん(62)が「『農業』その限りない可能性への挑戦」との演題で講演し「夢を諦めないで」と力説した。
本村校長は「きょうは、上野小学校が129歳を迎える誕生日。素晴らしいこと。講師の上地登さんは全国農業コンクール全国大会で第1位になったことがある。小さな島からも頑張れば第1位になれる」と述べた。
上地さんは、自身の人生を振り返り「中学2年生の時に農業をやりたいと思った。3年生になった時は心を入れ替えて一生懸命勉強した。親の反対を押し切って宮古農林高校に進学し、生徒会長を務め、初めての
花の品評会など活動に取り組んだ」と語った。
社会人となった上地さんは、家族4人と一緒に力を合わせてスイカ栽培に着手。家族でスイカの売上金で東京ディズニーランド見学の計画を立てた。しかし、スイカは台風の影響で被害を受け、その年の計画は実現しなかった。
翌年、再び家族一緒にスイカ栽培に取り組んだ。スイカは好調に売れ、東京ディズニーランド見学は実現した。
その後、1億円を投じて観光農園の事業に乗り出したが、非常に強い大型台風の襲来で莫大(ばくだい)な被害を受けた。
上地さんは「農業をやめようと思った。社会人になって沖縄本島から帰って来た子供2人は手伝いした後、手紙と10万円を置いて沖縄本島に戻った。手紙には『夢を諦めないで』と書かれていた。その時の自分は『全力で頑張ろう』と思った。子供のおかげ。今の観光農園には年間5万人のお客さまが来るようになった」と強調した。
講演後、児童会長の洲鎌真子さん(6年)は「農業を『諦めない』で家族と一緒に夢を実現したことは素晴らしいと思う。私も夢を諦めないで、夢がかなうように頑張りたい」と感謝の言葉を述べた。