八月踊りが開幕/多良間
組踊りなど優雅に披露
【多良間】国の重要無形民俗文化財に指定されている多良間島の「八月踊り」が6日、開幕した。初日は仲筋の土原御願で「正日」を行った。琉装など色鮮やかな衣装を身にまとって民俗踊りや組踊りなどが優雅に披露された。台風の影響で開始が約2時間遅れたが、無事開幕を迎えた。八月踊りは8日までの3日間。7日は塩川で「正日」がある。
獅子舞による舞で座を清めた後、出演者全員が顔見せする「総引き」が行われた。華やかな琉装や、かぶと姿の武士たちは、見る人を古き時代の歴史に誘った。
古典の若踊り、女踊り、二才踊り、狂言、組踊りなど約30の演目が演じられた。中でも約3時間の組踊り「忠臣仲宗根豊見親組」は最後まで観衆を引き付けた。
仲筋字会の大城隆夫会長は「台風の影響で心配されたが、実行委員会や役員の協力で開催することができた。ゆっくりと土原ウガン正日を観覧いただきたい」とあいさつした。
今年、中学校生活最後の出演となった宇良愛菜さん、嘉手刈葵さんは「練習でしっかりできたので本番でも頑張れた。お客さんや後輩たちが、踊りの意味や歴史に触れ、参加したいという気持ちにつながればうれしい」と話した。
多良間島の八月踊りは、人頭税制のころに税の皆納を御嶽の神々に報告した「八月御願」が起源とされている。