優雅な舞で観客魅了
八月踊り 塩川で「正日」
【多良間】国の重要無形民俗文化財に指定されている多良間島の「八月踊り」は7日、塩川のピトゥマタ御願で「正日」が行われた。躍動的な踊りや優雅な舞を繰り広げ、20余の演目で大勢の観客らを魅了した。最終日の8日は仲筋、塩川の両地区で「別れ」を行う。
塩川の正日は午前10時ごろに開幕。勇壮な獅子舞で会場を清めると、総引きで出演者全員が顔見せをした。「よーんしー」では男性10人が威勢良く踊り、豪快に笑って会場を沸かせた。
その後も端踊り、二才踊りなどが次々と披露された。狂言では病院を舞台にしたコントが披露され、会場を爆笑の渦に巻き込んだ。
組踊り「忠臣公之組(忠臣身替)」は10幕に及ぶ一大絵巻となっており、忠臣亀千代が忠義より敵を討つ物語を演じた。集まった観客は食い入るように見詰めていた。
塩川字会の福嶺常夫字長は「村民はじめ島外から訪れた郷友、多くの観客の皆さんに感謝したい。八月踊りは先人たちが築き上げた遺産であり、私たちにとって心のよりどころ。伝統文化を心ゆくまで楽しんでもらいたい」とあいさつした。
那覇市から訪れた40代女性は「琉舞を習っており、八月踊りが有名なので一度来たかった。演目はすべてにおいてレベルが高いので驚いた。最終日も楽しみにしている」と笑顔で話した。
八月踊りは、旧暦8月8~10日に行われる多良間島最大の伝統行事。期間中は島の内外から訪れる多くの観客でにぎわう。