農業の課題解決に全力/大城 勉氏(66歳)
JA沖縄中央会会長就任インタビュー
【那覇支社】新しく今年6月にJA沖縄中央会会長に就任した大城勉氏(66)に対し、宮古毎日新聞は就任インタビューを行った。
-改めて就任の意気込みを
農地や農業就業者の減少など生産基盤の低下があるなか、TPP(環太平洋パートナーシップ協定)、EUとのEPA(経済連携協定)が発効し、米国との国際貿易協定交渉も進むなど農畜産物の貿易自由化が進展している。厳しい状況下での就任となり、重責を感じている。
-県農業の現状と課題
県農業産出額は2016年から2年連続で1000億円の大台を突破した。農業者の皆さんの生産努力はもちろん、本土市場へ農産物を出荷する際に輸送費を補助する「流通条件不利性解消事業」、災害に強い栽培施設の整備など、行政の取り組みも後押しした。
行政には、引き続き支援していただきたいと思っている。そのため、あと2年半で期限を迎える一括交付金制度は、ぜひ継続して欲しいと考えている。
また、農業での労働力不足への対応として、中央会は農業支援外国人受入事業での派遣を行っている。技能実習を経験した方々で、言葉もしっかりでき、農家の皆さんにも大変喜ばれている。
貿易自由化については、日頃から国へ対策を要請している。自由化の影響がさらに大きくなれば、新たな対策拡充の要請も行う。
-宮古地区の農業について
宮古は、サトウキビでは、多良間を含めると県全体の40~45%を占める。果実ではマンゴーが、野菜ではオクラ、ゴーヤー、トウガン、カボチャ、サヤインゲン、畜産では子牛などで拠点産地に指定され、県農業産出額のうち約2割が多良間を含む宮古地区だ。
農業者は減少しているが、最近は特にJA青壮年部を中心に、若い人たちで宮古の農業を盛り上げている。
ただ、離島のハンディもある。流通条件不利性解消事業や災害に強いハウスの導入は、引き続き県に要請して継続していきたい。
黒糖については、在庫の解消や安定供給の確保に向け国へ要請しており、国も来年度に実証事業を計画している。黒糖販売の強化をしていきたい。
サトウキビ交付金は、210円増を達成して1万6630円になっている。10月の消費税引き上げに伴い、さらに100円増となる。交付金に関する国への要請は、中央会の役割。農家の意見も十分反映させた形で再生産可能な水準を実現できるように、引き続き取り組んでいきたい。
-今後のJA自己改革
現在、JAが主体となって「創造的自己改革のさらなる実践」に取り組んでおり、中央会もサポートしていく。「農業者の所得増大」、「農業生産の拡大」を重要課題として、JAと一体となって実践していく。
-宮古を直撃した台風13号被害への対応
宮古の状況について報告があったので、7日には宮古に入り視察を行った。やはり全般的に大きな被害と感じた。支援の必要性があれば、JAと協議して対策を取っていきたい。