「しまくとぅば」継承へ/本島で「語やびら大会」
天久富雄さんが登壇
【那覇支社】世代を超えて各地域の言葉で自分の思いや体験を発表する「第25回しまくとぅば語やびら大会」(主催・県文化協会)が14日、うるま市民芸術劇場で開催された。宮古地区代表の天久富雄さん(67)を含む7~81歳までの県内各地区のしまくとぅばの名人18組19人が出場し、自慢のしまくとぅばを披露した。
天久さんは、「イミンミーター(夢に見た)太平山ピラミッド」と題して、現在、好景気と言われる宮古の現状を面白おかしく紹介。その上で、「宮古のさらなる発展のために、シンボルとなる世界一のピラミッドを作りたい」と述べ、「アララガマ精神」などがあれば必ず実現できると、流ちょうなみゃーくふつ(宮古語)で強調した。
大会終了後、天久さんは「ピラミッドを造ることで、みんなの気持ちを一つにして、平和な世の中にしたいという思いを込めた。自分の夢を宮古語で発表できる大会に出場できたことはとてもうれしい」と笑顔で話した。
応援に駆け付けた沖縄本島で宮古語の保存・継承に努める「みゃーくふつの会」の垣花譲二会長は「出場者の半分以上が小中学生の若い生徒で、今後に期待が持てる。子どもたちが発表できる場を増やして、次世代に引き継ぐ工夫をしていきたい」と述べた。
県では、2006年に県民のしまくとぅばへの理解と関心を深め、次世代に継承することを目的に9月18日を「しまくとぅばの日」に制定している。ユネスコ(国連教育科学文化機関)は09年。宮古語、国頭語、沖縄語、八重山語、与那国語を消滅の危機に瀕する言語に指定している。