「市民提訴」議案を撤回/下地市長
「内容精査する必要」/市議会、きょう対応協議
下地敏彦市長は17日、市議会9月定例会に提出した、市民6人を「名誉毀損(きそん)」で訴える議案を撤回することを佐久本洋介議長宛てに文書で通知した。撤回の理由を「内容を精査する必要が生じたため」としている。再提案の可能性も含んでおり、野党側は市の動きを注視する考えだ。市議会では日に議会運営委員会を開き、対応を協議する方針。
市が2014年度に行った不法投棄ごみ事業をめぐり、市民が違法性を訴えたが最高裁で棄却された。同議案は、原告市民が棄却された後も、報告会で「虚偽の事実を繰り返し主張し続け、市の名誉を毀損した」として原告市民の提訴を求めようと今定例会に提案していた。
議案は総務財政委員会に付託され、審査されたが、採決の際、多数を占める与党側が「一般質問で直接市長の見解を聞いた上で判断したい」と先送りを申し出たため、24日に採決を行う予定だった。
議案の撤回は17日付で、その日のうちに佐久本議長名で全議員に通知された。
与党議員の一人は「市民を名誉毀損で訴えるという下地市長の気持ちは理解していたので、撤回は残念だ。当初は提訴に向けて強い意思を感じたが、段々とトーンダウンしてきたという印象を受けた。理論武装が徹底していなかったと思う」と話した。
野党議員の國仲昌二氏は「撤回の理由を『精査が必要』としているが、議案を精査しないで提出したのであれば、議会軽視だ。精査が必要とあれば、再度提案する可能性もある。今後とも市民と一緒に市の動きを注視していきたい」と述べた。