「離島の定住条件整備」議論/離島過疎地域振興部会
【那覇支社】次期沖縄振興計画の策定に向け、離島地域などについて議論する県振興審議会「離島過疎地域振興部会」(部会長・嘉数啓琉球大学名誉教授)の第2回会合が17日、県庁で開催された。今回は「離島の定住条件の整備」をテーマに、各委員から活発な意見が出された。
現行の沖縄振興計画である「沖縄世紀ビジョン」は、2021年度末で期限を迎える。県は、次期振興計画の策定に向け、県振興審議会にある九つの部会で議論を進めている。
同日の会合では、委員から「(運賃への補助が始まって)離島の皆さんの移動が気軽になったと聞いており、今後の継続性が重要だと認識している」と、離島住民などに対する航空運賃や船賃への支援を継続するよう求める声が上がった。
これに対し、県の担当者は「思いは一緒なので、安定的、継続的な実施に向けて取り組んでいきたい」と答えていた。
また、「沖縄本島と離島とでガソリンの価格差がある」などと述べた委員に対しては「年間億円近くを財源として離島への輸送費を補助している。ただ、離島では本島のような競争環境がなく、小規模のガソリンスタンドが多くスケールメリットを発揮できないなどで、価格差が残っている」と説明があった。
このほか、委員からは「船賃への支援は、離島の住民だけでなく、以前住んでいて島から離れた人も対象にできないか。そうすると、『島に戻って来ようか』という話も出てくるのではないか」との声も出た。これに対し、県の担当者は「住んでいる人の交通負担を軽減するのが第一。安定的に実施できる方向で取り組むことが重要と考えている」と述べた。
「那覇-宮古間の旅客フェリー復活の見込みはないのか」との委員からの質問に、県の担当者は「今、那覇-宮古間は航空路線が充実している。フェリーが運航した場合、かなりの赤字が見込まれるとシミュレーションされている」と答えた。
これに対し、質問した委員からは「本土航路で来て那覇港で1泊しているフェリーを延伸させる考えもあるのではないか」との声が上がっていた。