撤回で安堵や憤り/市民提訴議案
住民訴訟原告団が会見
市議会9月定例会で市民提訴の議案撤回が承認されたことを受け、不法投棄ごみ残存問題に係る住民訴訟の原告団のうち、岸本邦弘さんら4人は18日、平良港ターミナルビルで会見し、同議案が撤回されたことについて安堵(あんど)や憤りなどそれぞれが率直な考えを示した。この中で、岸本さんは「市長のやり方は違うということを訴えていきたい」と述べた。
市民のための市政を創造する会主催の「市の市民に対する名誉毀損(きそん)訴訟提起について弁護士による住民への説明会」開催に先立ち、会見した岸本さんは「正式に撤回されたが、提訴すると言われた6人だけでなく、市民全体の問題として捉える必要がある。市長のやり方に関して違うということを訴えていきたい」と強調。
また、「市長が議案を撤回したから済む問題ではなく、市政のあり方が問われる問題。市を良くしていこうとすることに対して逆に訴えるというのはおかしい。市民の皆さんにも市政を良くするために協力してほしい」と呼び掛けた。
仲松義雄さんは、名誉毀損で訴えると議会に提案しながら、撤回することに対して怒りをあらわにし、「根拠もなく、中身も精査せずに議会に提案することは議会をもてあそんでいると言いたい。市民の率直な意見や批判を市政から、根底から排除するもの。市民が納得するまで撤回する理由を説明してほしい」と語気を強めた。
長濱幸男さんは「役所が良くなればと動いてきた私たちが市の名誉を傷付けたというのは言いがかりだ」とした上で、「議案が再提案される可能性もあるが、そうなれば多くの批判がまた生まれると思う。私たちは納税者として住民訴訟を起こした。行政を正していくことは権利として認められており、権利の行使をしただけ」と述べた。
下地博盛さんは「根拠を示さずに情緒に流されて議案提案だったのではないか。この提訴議案が議会を通ったとしても無理筋だと思う。議案の撤回があったことで安堵しているが、個人的には市議会で議案を通して、裁判でもう一度この裁判がどういったものかを知ってもらえればとの思いもある」と話した。