改めて「名誉毀損」強調
市、市民提訴問題で見解/仲里氏一般質問
市議会(佐久本洋介議長)の9月定例会は19日、一般質問3日目が行われ、市が市民6人を名誉毀損(きそん)で訴えるとした議案(すでに撤回)について、仲里タカ子氏が市の見解をただした。提案理由について長濱政治副市長は、最高裁棄却を経て行われた原告市民側の主張が市の名誉を毀損したとするこれまでの主張を展開。また、問題となっている事業について高裁の判決時に「ずさんな事務処理」と指摘されていることについては「ずさんかどうかは(裁判で)争っていない」とした。
この問題は、最高裁で市民有志の訴えが棄却された不法投棄ごみ訴訟について、市が今定例会に原告だった市民6人を名誉毀損で訴える議案を提案。
しかし、議案の内容に不備があったとして、下地敏彦市長が議案の撤回を申し出て、18日に全会一致で撤回が承認されるも、再提案については明言を避け
ていることから、その可能性は残っている。
市側が提訴する理由にしているのは、7月26日の原告側報告会における▽裁判を通して不正な行政手法は許されないという基盤が確立されたと強調したこと▽問題の契約について、市の主張は裁判になってからつくり上げたとする主張-について、公然と虚偽の事実を摘示して市の名誉を傷つけたとしている。
これに対して、仲里氏は福岡高裁那覇支部が判決時に「極めてずさんな事務処理」との見解が示されたことを挙げて「市民が納得できないことを報告したことがなぜ名誉棄損になるのか」と疑問を呈した。
長濱副市長は「(市は)最高裁判決後の報告会の主張が名誉毀損に当たるとしている。ずさんかどうかは裁判で争われていない」との見解を示した。
同事業では、公文書偽造や計量伝票のデータ改ざんで職員が有罪判決を受けて失職したことを指摘した上で、仲里氏は「多くの疑念がいまだに払拭(ふっしょく)されていないからこの裁判になった」と訴えた。
長濱副市長は「これについては市議会、調査特別委員会でも全部説明して分かっているはず。解明されていないというのはおかしい」と訴えた。
この答弁に対して野党市議からは「特別委員会でも、書類の不備や当局が自ら解明しようとの姿勢が無く、さまざまな資料が出てこなかったことなどが指摘されて全容解明には至っていない。副市長の主張はおかしい」と疑問を呈した。