関連予算削除を否定/市民提訴
再提案の可能性触れる/島尻氏一般質問に副市長
宮古島市が市民6人を名誉毀損(きそん)で訴える議案を撤回した件で、長濱政治副市長は20日午後、同時に提出している関連予算の削除については「現在のところ、考えていない」と述べた。議案は「精査のための取り下げであり確定ではない」とも言及し、再提案の可能性に触れた。市議会9月定例会一般質問で島尻誠氏の質問に答えた。
市は17日、「精査」を理由に提訴議案を取り下げる意向を示し、18日の本会議で認められたが、島尻氏は改めて議案提出に至った下地敏彦市長の考えを聞いた。
下地市長は答弁せず、長濱副市長が「市長が現在も精査中と言っている。この件に関しては精査中としか言えない」と述べた。
島尻氏は再質問で、議案の撤回と関連予算の削除はセットだと主張。「再提案がないように」と訴え、補正予算に組まれた約64万円を削除するよう求めた。
再び答弁に立った長濱副市長は「議案103号(提訴議案)は精査するために取り下げている。精査中であり、確定したわけではないので現在のところ予算を削除するということは考えていない」などと述べ、再提案に含みを残した。
島尻氏はこのほか「訴えの提起(者)は市長か」と問うたほか、市の庁議における議案精査の在り方についても質問を投げ掛けた。
いずれも長濱副市長が答え、訴えの提起については「議会に議案を提案する権利は市長が持っている。もちろん市長が訴えの提起も出している」と述べた。庁議に関しては「議案そのものについての反対とか賛成とかはだいたい出ない」とする見解を示した。
議会終了後、再提案に関する報道陣の問い掛けに下地市長は、「精査中だ」と答えるにとどめた。