方言オペレッタ完成間近/西原「ゆりの会」
来月1日に東京で披露
10月1日に東京都で行われる国立国語研究所の創立70周年記念式典に西辺方言のオペレッタを披露するため、今年6月から厳しい練習に取り組んできた西原コーラス「ゆりの会」(仲間忠会長)の稽古が大詰めを迎えている。西原公民館では、衣装に身を包んだ出演者たちの演技も熱を帯びている。せりふや歌、舞台での立ち位置などの細かい部分の確認をするなど、本番に向けて芝居は完成間近となっている。
本番まであと数日と迫った21日、現在の状況について仲間会長は「(完成までには)もう少しのところまできている。本番時はマイクの数も限られているので、みんなが言葉をはっきりと丁寧に伝え、動作も分かりやすくする必要がある。それをしっかり整えて、当日は芝居を通して西原の昔の様子をしっかり伝えたい」と意気込みを示した。
オペレッタの題名は、寸劇「んすむらオペレッタかぬしゃがま」。西原では昔、若い男女が交流する場として「ジャー」(座)が利用されていたことから、そこでのやり取りを物語にしている。
同会世話役の小川榮子さんによると、今回の出演は、西辺方言を長年研究している同研究所の田窪行則所長から招かれたという。
70代の小川さんが昔、祖母から聞いた当時の西原地区の若い男女が出会い、結婚に至るまでの話を今回のオペレッタに仕上げた。
本番に向けて小川さんは「この芝居にあるように昔の村遊びの中で住民たちが結婚に至ったことだけでなく、西原のほがらかな雰囲気はこうした場づくりで培われたと思う。そういったことが今回の芝居で伝わればうれしい」と述べた。
小川さんの祖母の話では、昔は仕事が終わると、それぞれがおめかしして座に集まり、歌やクイチャーを踊りながら語り合い、交流を深めて恋人同士になったり、結婚へとつなげていったりしたという。
そのほか、急きょ出演できなくなった出演者の代役で、市議の山里雅彦さんも出演することとなり、21日の練習でも台本を見ながら遅れを取り戻していた。
小川さんは「こうして、急な事態にも周囲の人たちで助け合って対応できるのも西原の魅力。山里さんもしっかり頑張ってくれると思う」と笑顔で話した。