正しい知識と理解を/伊良部島小中9年生
ハンセン病の歴史学ぶ
伊良部島小中学校の9年生30人が26日、社会科校外学習で宮古南静園にある「ハンセン病歴史資料館」を訪れ、関係者から説明を聞きながら、ハンセン病と宮古南静園について学んだ。
元患者でハンセン病と人権市民ネットワーク宮古の知念正勝さんと上里栄さんが自らの体験談を話した。知念さんはらい予防法による強制隔離政策や戦争による被害を説明し、「沖縄の施設は強制隔離と戦争被害の二重の苦難に遭ってきた」と話した。また今年6月に判決が出たハンセン病家族裁判について、「560人の原告のうち、約70%が名前を明かさずに原告となった。ハンセン病患者が家族にいたということが分かると偏見を持たれるから。今なお差別と偏見は続いている」と話した。
宮古南静園の退所者は約60人いるが元患者であることを隠して生活している人がほとんどで、身上を明かして人前で話しているのは2人だけだという。知念さんは「ハンセン病に対して正しい知識と理解を深めてほしい」と生徒らに呼び掛けた。
2人の話を聞いた上里琉輝君は「小さいときに親と離れ離れになってつらい思いをしてきた。隔離されるのは自分なら耐えられない」と感想を話し、差別や偏見については「(病気が)うつるかもしれないからという気持ちは分からないわけではないが、簡単にうつることはないから差別はしない方がよいと思う」と話した。