軽減税率「よく分からない」/消費税10%
不安残しスタート/交通、公共料金も増
消費税率が1日から10%に引き上げられる。食料品などは8%に据え置かれる軽減税率を導入。幼児教育・保育の無償化やキャッシュレス決済を対象とするポイント還元制度も始まるが、消費者からは「よく分からない」との声も聞こえる。
医療関係で働く歳女性は「特に生活困窮者はますます苦しくなるのではないか。社会保障費が増大していることは分かるが、生活困窮者が増えないか心配。自分の生活は節約するしかない」と話した。
飲食関係の仕事に就いている女性(63歳)は「食料品は8%のままなので、その点は助かるが、あす(1日)からは生活の至るところで税率が上がる。きょう(30日)のうちに買いだめしておきたいが、どれが8%で、どれが10%なのかよく分からない」と語った。
宮古島商工会議所の砂川恵助専務理事によると、消費税引き上げに向け会員企業向けのセミナーを開催したり、レジを入れ替えるための補助金制度の紹介などを通して周知に努めてきたという。
「軽減税率の8%と引き上げられる10%の違いや線引きがまだ分からない企業もあると考えている。1日以降も会員企業から問い合わせなどがあれば、しっかりと説明して対応していく」と話した。
大型スーパー
大型スーパーやコンビニエンスストアでは、値札の交換やレジシステムの切り替え作業に追われた。
10%に引き上げられる酒やトイレットペーパー、医薬品などは、台風接近もあり数日前からまとめ買いする人が目立ったという。
スーパーの店長は「事前に取り組んでいたので、スムーズに移行できると思う。プレミアム付商品券も流通するため(売り上げ増を)期待している」と話した。
一方で、「増税前の駆け込みで商品を購入する客は少ない。普段とそう変わらない」(電器店)、「特に何かをするということはない」(洋服店)と冷静に受け止める商店主もいる。
タクシー、バス
タクシーは普通車の初乗り運賃が、現行460円から10円増の470円になる。
ジャンボタクシー(9人乗り)も現行580円から10円増の590円となる。
運賃改訂後の加算運賃は、普通車が現行341メートルごとに60円だったが、336メートルごとに60円になる。
ジャンボタクシーは、248メートルごとに80円が244メートルごとに80円となる。
路線バスの運賃も値上がりするが、会社側によると初乗り運賃は現状のまま、高くても10円程度の増になるとしている。
電気、水道、ガス
電気、水道、ガスとも10月分の利用分から増税の対象となり、11月の請求分から10%の消費税率となる。
沖縄電力によると、月間使用量が260キロワット時の標準的な家庭の電気代で、現行6789円が126円上がり6915円となる。
市上下水道部によると、水道料金、下水道使用料は11月分料金から10%、水道を引き込む際に必要な加入金(1万5000円~)は、10月1日から10%がそれぞれ適用される。
県高圧ガス保安協会宮古支部によると、11月分の請求から消費税を10%にした額となる。