西辺方言飛び交う
東京でオペレッタ
国語研創立式典に出演 クイチャーも披露
西原ゆりの会
1日に東京都内のホテルで開催された国立国語研究所の創立70周年記念式典で、西原コーラス「ゆりの会」(仲間忠会長)のメンバーが西辺方言のオペレッタを披露し、好評を博した。昔の西原地域では、地域の若者たちが出会いの場を自らで設定し、島言葉で語り合い、恋愛につなげ、結婚に至っていった当時の風景を表現した舞台に、会場に訪れた人たちは真剣な表情で見入っていた。最後はメンバーと来場者が一緒にクイチャーを踊り、式典と祝賀会に花を添えた。
今回の出演は、西辺方言を長年研究している同研究所の田窪行則所長からの招きで実現した。
オペレッタの題名は、寸劇「んすむらオペレッタかぬしゃがま」。西原では昔、若い男女が交流する場として「ジャー」(座)が利用されていたことから、そこでのやり取りを物語にしている。
舞台が好評を博したことについて、仲間会長は「みんなを笑顔にするとても良い舞台だった。最後は会場全体でクイチャーを踊り大成功だった。120点の出来だった。これからも地域の魅力を発信する取り組みを続けていきたい」と話した。
今回の舞台は、演出を担当した同会世話役で70代の小川榮子さんが昔、祖母から聞いた当時の西原地区。当時の若い男女の出会いの風景をオペレッタで表現した。
小川さんは「みんな本番に強くて素晴らしかった。舞台を終えると3人の外国人から『素晴らしかった』と声を掛けてもらった。さらに『言葉は全く分からなかったが皆さんの心はしっかり通じた』と言ってくれたことがうれしかった」と笑顔になった。
急きょ出演できなくなった出演者の代役で出演した市議の山里雅彦さんも「迷惑掛けずに何とかやり遂げた。とても楽しい時間だった。多くの学者が見てくれたし、宮古の魅力をみんなが理解してくれたと思う」と振り返った。
同会のメンバーは、この日のために6月から西原公民館で練習に励んできた。