屋根修繕のめど立たず
市総合体育館
建て替え方針でジレンマ
先月5日に直撃した台風13号の強風で屋根の一部が吹き飛ばされた市総合体育館だが、被災から1カ月がたとうとしている今も雨ざらしのままだ。時間を要している背景に、修繕と建て替えをめぐる市内部のジレンマがある。高率補助事業で建て替える予算のめどが立てば、単費で賄う高額な修繕費の出費は抑えられるという論理が働き、方向性が定まっていない。
現状の総合体育館は、屋根の一部にぽっかりと穴が開いた状態で、降った雨はそのまま床に落ちる。
管理する市スポーツ協会は、フロア中央部の15メートル四方にわたってブルーシートを敷いて雨漏りに対応している。たまった雨はポンプを使って抜き取る作業を続けているという。
突然の降水に対応するためブルーシートは敷いたまま。従ってフロア中央部は使用できず、バレーボールやバスケットボールの試合で使うことはできない。
ラージボールやバドミントンのサークル団体は受け入れているが、フロアの両端を使える程度で少なからず支障を来している。
修繕の見通しが立たないことから、各種団体の予約の受け付けもできない。12月には小学バレーボールの全県大会が予定されているが、総合体育館で開催できるかどうかは不透明だ。
こういった現状から、体育館の早期修繕が求められている。市教育委員会は複数の業者に修繕費の見積もりを依頼しており、出そろい次第、市長部局と調整して修繕か、即建て替えに着手かの方針を決める。
市教育委員会生涯学習部は、現状めどが立っていないことを認めた上で「早いうちに答えを出したい」としている。総合体育館新設の担当部局となる振興開発プロジェクト局も同様の考えを示しており、施策推進に向けた横断的な取り組みで方針の確立を急ぐ。