弾薬庫建設へ住民説明会/沖縄防衛局
用地取得は6割程度/今月中にも造成工事着手か
宮古島への陸上自衛隊配備に伴う保良鉱山地区への弾薬庫建設工事について沖縄防衛局は3日、保良公民館で保良地区と七又地区の住民を対象に説明会を開いた。この中で施設整備に向けて6割程度の用地を取得したとし、今月中に造成工事とさまざまな施設建設工事を実施していく方針を示した。造成工事については具体的な着手日程は明かさなかったが、完了時期について2020年3月末と説明した。
午後6時30分から行われた説明会には10人ほどの住民が参加。沖縄防衛局の村井勝企画部長、古川正司郎調達計画課長が工事概要などについて説明した。一方、弾薬庫建設に反対する住民らは防衛局側が「保良鉱山地区の建設工事ついて」の説明会としたことについて、「何の工事の説明会か分からない」とし、「弾薬庫」または「火薬庫」との表示がない説明会は納得できないと入場を拒否した。
同地区に整備される施設は地対艦誘導弾や地対空誘導弾、その他部隊が使用する弾薬などを保管する「火薬庫」3棟、隊員が射撃訓練を室内で行うための「覆道射場」、隊員が訓練の準備やさまざまな管理業務を行う「廠舎(しょうしゃ)」、「整備場」、「排水処理場と給水所」、「受電所」、弾薬庫などの警備を行う隊員が勤務する「警衛所」、「訓練場」が予定されている。
スケジュールとしては現地調査を行った後、仮設の安全策や土のうの設置などを行い、測量や赤土等流出防止対策を実施。準備が整い次第、造成工事に着手する。本体工事は造成が終わった箇所から順次着手していく方針。ただ、現時点ではまだ契約していない工事もあるため、すべての施設が完成する時期は決まっていない。2019年10月3日現在で11件の工事契約が結ばれている。
懸念のある火薬庫については「火薬類取締法などの関係法令に基づき、適切に行うとともに、24時間体制で警備するほか、すべての隊員に対して火薬類の安全管理に必要な教育を行う」とし安全性を強調した。
質疑応答では住民が隊員の家族宿舎の建設について質問。これに対しては「宿舎整備については30戸程度を予定している。今年度の概算要求に用地取得のための予算を要求している」と答えた。このほか、火薬庫の安全性などについても質疑があった。