交付税7億円減見込む/市来年度予算編成
財源確保なお厳しく
宮古島市の2020年度予算編成方針案の説明会が9日午後、下地農村環境改善センターであった。この中で財政課が示した普通交付税の減額幅は前年度比約7億円(見込み額)、加えて公債費(借り入れた地方債の元利償還金など)の支出が増加しているため、財源確保が一層厳しくなるという見立てを説明した。市はこういった財政事情を共有して予算編成に臨む。14年度策定の中期財政計画が終了する次年度、36年度までの長期財政ビジョンを策定することも確認した。
説明は、財政課が各課職員に対して行った。市の現況として年度の決算を示し、歳入決算額から歳出決算額を差し引く形式収支は約19億7000万円、翌年度繰り越し財源の約3億3000万円を差し引く実質収支額は約16億4000万円という数字を挙げた。
実質公債費比率(公債費による財政負担の度合いを判断する指標、18%超で起債制限)が7・1%にとどまることも説明し、「現時点では、数値的には健全な状態である」とした。
ただ、19年度の当初予算編成で財源不足に陥り、財政調整基金を13億円取り崩したことに触れて楽観視できない現状を指摘した。
その上で20年度予算編成における基本的な考え方を示した。前提として、予算で大きな比重を占める普通交付税は、合併算定替えによる交付額の段階的な減額によって前年度より約7億円減る見込みを説明。これにより、20年度の普通交付税は100億円程度になるものとみられている。加えて公債費の支出が増加していることを挙げ、「財源確保が厳しい状況になることが予想される」とした。
このような厳しい財政事業を踏まえ、「予算編成段階から一般財源の確保が厳しくなることを認識し、行政サービスの水準を確保しながら後年度の財政負担を考慮した予算編成をしてほしい」と注文を付けた。
具体的には第2次総合計画の着実な推進と持続可能な行財政運営を挙げた。行財政運営については、事業の再編及び見直し、資産の効果的かつ効率的な運用と管理、新たな財源創出などに取り組むよう促した。
説明会の冒頭、宮国高宣総務部長(代読)は「19年度の予算編成で一般財源が約13億円不足して、初めて財政調整基金から繰り入れを行った。この傾向は、20年度以降も起こり得るものと理解している」という将来の見通しを示し、「本市の財政状況を踏まえ、行政運営に支障が出ないように予算編成に取り組んでいただきたい」と述べた。