60年間のニュースぎっしり/新聞週間企画
時代の記録
市立図書館が保管
調査、思い出探しに活用
毎年10月15日から1週間は「新聞週間」。新聞の役割には新しいニュースをできるだけ早く提供する側面と、時代を記録してきた「記録性」がある。今年8月に開館した市未来創造センター内にある市立図書館には、約60年前の宮古毎日新聞など地元紙が保管され、誰でも閲覧できる。いろいろな理由で過去の新聞を調べる来館者も多く、同図書館では今後も島の歴史を記録してきた地元紙の紙面を保存していくとしている。
図書館に保存されている本紙は1962年以降の紙面で、きれいに製本されて保管されている。
現在の新聞は、以前に比べてページ数が増えていることから2カ月ごとに1冊に製本しているという。
製本されて保管されている新聞は、本紙を含む地元2紙。県紙2紙はデータベース化されて館内のパソコンで調べて閲覧できる。
館内で過去の地元紙を調べる際には、受け付けカウンターで調べたい年月を示せば、当時の紙面を閲覧することができる。
さらに、必要な古い記事についてはコピーも可能で、館内のコピー機で1枚10円でコピーできる。
同図書館の奥平知恵美庶務係長は「古い新聞を調べたいという来館者は結構多い。閲覧した上でコピーする人も多く、1カ月で5000~6000円分のコピー代が支払われている」と話した。
来館者が古い新聞を調べる理由については、学校や各種協会などが記念誌などを作成する際に過去にさかのぼって当時の宮古の状況を調べたり、確認したりするという。
また、最近では子供たちが自由研究の一環で、自分が生まれた日の新聞を調べて当時の状況を確認するケースもあるようだ。
そのほかにも、奥平さんは「自分の家族が昔、紙面に掲載された新聞を調べる人も多い。特に家族が亡くなった際には元気に活躍していたころを思い出そうと、その時の紙面を探すケースもある」と話した。
図書館では、歴史を重ねた古い紙面がしっかりと保管され、その記録性に価値を見いだして多くの来館者が活用しているようだ。
一方で古い紙面は紙の色も変色し、劣化も進んでいる。保管場所から何度も出し入れがあると、保存状態に影響を与えることからデータベース化も課題となっているという。
同週間は、新聞と読者との結び付きを強化することも目的の一つ。日々の新聞だけでなく、図書館内では過去の新聞も、その役割をしっかりと担っている。