傷害容疑の男性に無罪判決
平良西里アパート白骨化遺体事件
平良西里のアパートで63歳の男性が一部白骨化した遺体で発見された事件で殺人容疑で逮捕され、傷害の罪で起訴された無職の40代男性に対し、那覇地裁平良支部は23日、無罪を言い渡した。松原経正裁判長は「被告人が被害者に対して何らかの暴行に及んでいたことは否定できないが、それによって被害者に傷害を負わせたと断ずることはできず、合理的な疑いが残る」と理由を述べた。
起訴状などによると、この男性は2018年5月下旬ごろ、宮古島市平良西里の自身が借り主となっているアパートの室内で、被害者男性の頭部、顔面、胸腹部、背部と両足に何らかの暴行を加え、被害者に対して治療約2カ月を要する左頬骨の骨折、上鼻骨骨折、左上顎骨骨折、左頬骨弓骨折、多発肋骨(ろっこつ)骨折、右腓骨(ひこつ)骨折と、左脛骨(けいこつ)骨折の傷害を負わせたというもの。
松原裁判長は判決で「(この男性が)5月下旬ごろに被害者に対して何らかの殴る蹴るといった暴行に及んだとはいえても、公訴事実の日時の範囲内で暴行行為に及んだと認めるに足りる証拠がなく、具体的内容も不明。暴行の主体、時期、態様のいずれの観点からも公訴事実には合理的な疑いが残る」などと述べた。
判決を受け、検察側は「判決内容を詳細に検討して対応していきたい」と述べた。