子孫繁栄を祈願/来間島でヤーマスプナカ
子の健やかな成長祝う/きょう集落内パレード
子孫繁栄を願う来間島の伝統祭祀(さいし)「ヤーマスプナカ」が旧暦9月26日の甲午(きのえうま)に当たる24日、2日間の日程で始まった。初日は、昨年のヤーマスプナカ以降に誕生した新生児を盛大に祝った。25日午後2時からは集落内でパレードが行われる。この祭祀は市指定無形民俗文化財。
島の始祖は三兄弟とされる。長男がスムリャー(下家)、次男がウプヤー(大家)、三男がヤーマスヤー(家増す家)と
呼ばれる本家で、それぞれ本家には親族の関係者らが集った。
各本家では「サスの主」が「サラピャース」を歌い、続けて参加者が復唱しながら神酒を振る舞った。回し飲みで喜びを分かち合った。
本家のうち、ウプヤーの本家である砂川輝夫さん(82)宅は大勢の関係者でにぎわった。
父母が新生児を抱いて、酒とごちそうを持ってウプヤーに届け「マスムリ」という儀式を行った。
佐久田滉大さん(24)と愛美さん(同)の夫婦は今年4月に生まれた次男の春璃ちゃんと一緒に参加した。
砂川さんは春璃ちゃんを抱いて「これからは一生懸命に成長し、人のために世のために活躍してください」と期待を込めた。
愛美さんは「皆さんがマスムリを快く引き受け、ありがたい」と満足そうに話した。
本土出身で東京で暮らす竹田泰章さん(44)と妻の美代さん(33)は、今年6月に誕生した長男の健人ちゃんと一緒に訪れた。
美代さんは「健人ちゃんの健やかな成長を願うために訪れた」と晴れやかな表情で語った。