地域の畜産振興に力/平良氏が県功労者受賞
県は25日付で2019年度県功労者表彰受賞者10人を発表した。宮古関係では元宮古郡農協組合長の平良一夫氏(77)=市平良東仲宗根=が農林水産部門で受賞する。受賞に平良氏は「とても重い賞で心から喜んでいる。心を開いて支えてくれた生産農家、畜産関係者に感謝したい」と話した。
平良氏は製糖会社、市役所勤務を経て1970年に平良市農協(後に合併で宮古郡農協)入り。その後、組合長、県農協中央会副会長、県畜産会副会長、宮古郡農業共済組合組合長、県農業共済組合連合会理事などを歴任した。その間、地域の農業振興、特に畜産振興に力を注いだ。
80年には県内では初めての宮古地区和牛改良組合を設立し、組合長に就いた。「組合の設立によって、一貫した生産体制が整備され、発育が良く肉質に優れ、そして飼いやすい牛をつくろうと改良生産体制が確立した。良い繁殖雌牛と種雄牛を交配し、当初は生産農家に不安もあったが関係者の努力で軌道に乗った」と振り返った。
順風満帆とはいかなかった。生産農家を苦しめたのは2001年のBSE(牛海面状脳症)の発生。子牛の競り価格が暴落した。10年には宮崎県で口蹄疫が発生し、宮古島でも子牛競りが2カ月休場した。当時宮古島では行政機関と農業団体が結束して口蹄疫侵入防止生産者大会を開いた。
「徹底して侵入防止策を実施した。関係機関や生産農家の理解を得られたことで無事乗り切った」と、BSEと口蹄疫の発生が最も印象深い出来事という。受賞を機に、地域の畜産業振興に力を注ぐ決意だ。
平良 一夫氏(たいら・かずお) 1942(昭和17)年2月10日生まれ。平良東仲宗根添出身。宮古農林高校卒。70年平良市農協入り。宮古郡農協組合長、県農協中央会副組合長などを歴任。80年宮古和牛改良組合設立、組合長に就任。