島しょ医療の現状共有/医療を考える研究会
医学博士の小山さん講演
日本島嶼(しょ)学会に属している「島の医療を考える研究会」の第2回研究会が25日午後、市未来創造センターで開かれた。東京都立広尾病院内視鏡科部長で医学博士の小山茂さんの講演や意見交換を通して、島しょ医療の現状と課題を共有した。
同研究会の目的は、島の医療体制づくりに関する知見を集めて日本の島々の命題に応えていくこと。26日に開幕する日本島嶼学会宮古島大会の関連企画だ。
小山さんは講演で、東京都の島しょ基幹病院の都立広尾病院を紹介した。医師の派遣や臨時派遣、画像伝送システムの活用ほか島しょからのヘリコプターによる救急患者を受け入れていると説明。屋上ヘリポートを保有し、島しょ救急患者の80%を収容しているという。
航空機による輸送実績や傷病別搬送件数を示した上で▽搬送件数をいかにコントロールするか▽搬送システムをいかに進化させていくか-を課題に挙げた。
搬送件数については、医療設備の充実に伴う現地医療の重要性を説きながら「現地の医師の裁量範囲拡大に対する方策も必要」とした。搬送システムでは機内設備の充実などを強調した。このほか小山さんは、小規模離島診療所の課題等も整理して報告した。参加者はそれぞれの現状に理解を深め、島しょ医療の充実に向けて研さんを積んだ。