30周年特別展示が開幕/市総合博物館
「宮古の宝 30選展」
市総合博物館で1日、開館30周年記念特別展示「宮古の宝 30選展」が開幕した。下地敏彦市長らは、16世紀に首里王府から賜った仲宗根豊見親(とぅゆみゃ)の獅子鋳形の金頭銀茎(きんとうぎんけい)のかんざしと妻の宇津免嘉(うつめが)の鳳凰鋳形の金頭銀茎のかんざしの2本が、大火で溶着して1本になったとされるかんざしなど、学術的価値が高い数多い資料を鑑賞し、宮古の貴重な宝を再確認した。3日の「文化の日」は入館料は無料。会期は12月22日まで。
30年間の収蔵品数は2万3000点を超えている。今回は2万3000点の中から、30周年に合わせて資料または資料群を30件(138点)を選んで展示。
内容は歴史・考古、民俗、自然、美術工芸、視聴覚の五つのテーマに分け、それぞれの分野で博物館を代表する資料を選定した。
会場にはゴンフォテリウムゾウ肋骨(ろっこつ)小頭部化石レプリカやミヤコノロジカ骨格レプリカ、宮古島固有種で県指定文化財(天然記念物)のミヤコサワガニなどのほかに、アメリカ統治時代のパスポート、本土復帰後の「730(ナナサンマル)車は左」標識などが展示されている。
仲宗根豊見親は15世紀末から16世紀初頭にかけて宮古島を統治した首長。豊見親とは名高い、鳴り響くの意味。金頭銀茎は、かんざしの獅子と鳳凰の頭部が金、いずれの茎(差し込み部分)も銀でできている。
神奈川県から観光で訪れた松岡仁美さん(39)は1日午前、特別展示を鑑賞した。松岡さんは「沖縄が復帰(1972年)する前に使っていたパスポートなどが見られ、とても良かった」と笑顔で話した。