住宅着工 4年で5.7倍/宮古島市
アパート建設は9.2倍/個人住宅は3割減
宮古島市内の新設住宅着工数がここ4年で約5・7倍に増えていることが国土交通省住宅着工統計で分かった。特にアパートなどの賃貸住宅だけを見ると約9・2倍に跳ね上がっており、「建築バブル」が顕著になっている。建設業関係者は「現在、一段落といった一服感もあるが、住宅需要は今後もしばらくは続くのではないか」と見ている。一方、持ち家(個人住宅)の着工は3割以上減っている。
住宅着工統計によると、宮古島市の住宅着工数は2015年度に持ち家(個人住宅)、貸家(賃貸住宅)、分譲住宅を合わせると320戸だった。16年度は対前年65%増の523戸、17年度は同122%増の1169戸、18年度は同55%増の1812戸まで増えた。うち貸家は15年度183戸、16年度404戸、17年度899戸、18年度は対前年度ほぼ倍増の1680戸になった。
この4年で着工数は5・7倍、特に貸家着工数は9・2倍になった。着工数からみると市内の住宅は4年で約3800戸増えている。背景に15年に開通した伊良部大橋がけん引している観光客数の伸びがある。観光客数増加に伴ってホテル等の宿泊施設の建設が相次ぎ、島外からの建設作業員らの宿泊施設不足などから住宅需要が高まった。
建設業関係者は「大型ホテルが相次いで建設されており、これからは建設作業員の住宅ではなく、ホテル従業員の住宅需要が続くだろう」と見立てている。
一方で個人住宅の着工は減少している。15年度に125戸あったが17年度、18年度は100戸を割り込んでいる。関係者によると、建築単価の高騰と職人確保の厳しさがブレーキをかけている。島内の大手建設会社は「個人住宅はほぼ動いていない。当社で現在工事をしているのは1件だけ」と話した。