「アララガマ魂」引き継ぐ
シンポジウムを初開催/沖縄宮古郷友連合会
【那覇支社】沖縄宮古郷友連合会(福里栄記会長)などは4日、那覇市で初企画の公開シンポジウム「アララガマ魂から未来を語る」を開催した。宮古出身の有識者や経営者、企業人らによるパネルディスカッションが行われたほか、芸能活動を行っている宮古出身者による歌や踊りも披露された。会場には約300人の郷友らが駆け付けた。
同シンポジウムは、宮古の「アララガマ魂」の本質を次世代につなげることが目的。福里会長は、開会あいさつで「先輩方は豊かで楽しい生活を夢見て沖縄本島に渡ってきた。アララガマ魂やワイドー精神を努力の支えにして、楽しい生活が送れる現在に至っている。ここで改めて宮古人のDNAや、アイデンティティーをみんなで討論してみよう」と呼び掛けた。
パネルディスカッションでは、沖縄国際大学元学長の波平勇夫さん、琉球海運会長の山城博美さん、沖縄ヤマト運輸社長の赤嶺真一さんと、日本トランスオーシャン航空キャビンマネジャーの亀川智子さん(父親が下地出身)が登壇した。宮古出身で琉球新報社会長の富田詢一さんがコーディネーターを務め、総合司会はみゃーくふつの会会長の垣花譲二さんが行った。
波平さんは「アララガマ精神の定義や実態はなかなか難しく、独り歩きしている側面もある。自分はやればできるという前向きな動機付けになれば、素晴らしいこと」と解説した。
山城さんは「アララガマ魂の一側面として、宮古の人は進取の気性に富んで行動力がある。その精神を発揮して、郷土の発展や自分自身の成長につなげてほしい」と期待を寄せた。
赤嶺さんは「アララガマ魂は体の芯から熱くなる好きな言葉。自己満足や独り善がりでなく、正しい努力をしているかを考えながら、座右の銘として常に思い浮かべる」と話した。
亀川さんは「女性初の社内重役に尊敬する宮古出身の先輩がいて、まさにパッション(情熱)の固まり。厳しいが人情深い。宮古のDNAを持つ一人として見習いたい」と述べた。
パネルディスカッション終了後には、サッカーJ2のFC琉球でキャプテンを務める宮古出身の上里一将選手からのビデオメッセージも放映された。
アトラクションでは、アーティストのHIRARAさん、宮古舞踊んまてぃだの会家元の亀浜律子さん、オペラ歌手の黒島舞季子さんとピアニストの平良大司郎さんが、宮古のアララガマ魂を共有する歌と踊りを披露した。