大規模地震、津波を想定/平良港で防災訓練
9機関連携、本番さながら
2019年度平良港防災・危機管理現地総合訓練(主催・沖縄総合事務局平良港湾事務所)が8日、平良港下崎埠頭(ふとう)で実施された。沖縄総合事務局や宮古島市、宮古島海上保安部など関係する9機関から約100人が参加。大規模な地震・津波が発生した場合を想定し、必要な措置を的確かつ迅速に実施できるよう関係機関が連携を深めた。
訓練は、マグニチュード9・0の八重山諸島南方沖地震に伴う13㍍の津波が襲来し、平良港の港湾施設に被害が発生したことを想定して行われた。
この日行った訓練は▽港湾施設被災状況確認▽海面からの漂流者救助▽港湾の利用調整▽海上流出物の堆積状況確認▽緊急物資輸送-など8項目に及んだ。
最初の訓練としては、海上保安本部石垣航空基地所属のヘリコプターが上空から港湾内の被災状況を確認。その後、沖合で発見された漂流者をヘリにつり上げて救助した。
流出油防除訓練では、船から油が流出したことを想定。海上では船を使ってオイルフェンスを設置して拡散防止を図り、陸上からはひしゃくなどで除去作業を行った。
そのほか、臨港道路へ流されたがれきを重機で撤去する訓練や、起重機船(クレーン船)が港湾内に堆積したがれきを撤去する訓練も実施した。
主催者を代表して平良港湾事務所の與那覇健次所長は「地震発生から約1週間で行うべき復旧作業を実施する。非常に密度の高い訓練になる。関係機関の連携を一層強化し、万一の事態に備えよう。意義のある訓練になることを願う」と呼び掛けた。