伝統の舞、豪快に/クイチャーフェスティバル
8団体が勇ましく/「創作」も華やかに
第18回クイチャーフェスティバル2019が9日午後、JTAドーム宮古島で開かれた。8団体が勇ましく踊り、島の精神文化の象徴を内外に示しながら伝統芸能を引き継ぐ決意を新たにした。会場には市民や観光客が多数来場し、厳かな伝統芸能と、演出効果を高めた華やかな創作舞踊を満喫した。
今年は、伝統の部に漲水クイチャー保存会、多良間村文化協会、比嘉民俗芸能保存会、宮国民俗芸能保存会が出演した。創作の部には▽夢ステージ▽宮古高校軽音楽部▽新羅withぶどぅれサンガ▽んきゃーんじゅく-の4団体が出た。
伝統の団体は、各地で大切に継承されてきた伝統のクイチャーを踊った。男性は力強く大地を蹴って跳ね上がり、女性は優雅な振る舞いで観客を魅了した。
創作の部に出演した団体は、クイチャーをモチーフにしたダイナミックなステージで場内を沸かせた。
会場内の照明効果を最大限に生かした独創性あふれるパフォーマンスで、伝統芸能を見つめ直す機会と視座を観客に与えた。
イベントには、あしび芸能座と前里博美琉舞練場が賛助出演し、四つ竹と黒島口調を厳かに格式高く踊って花を添えた。園児や児童は「みるく世ぬクイチャー踊り隊」として登場。元気な掛け声と踊りで歓声と拍手を誘っていた。
アイランダーアーティストで、イベントと深い関わりがある下地暁さんはゲスト出演し、ライブで盛り上げた。最後は全員でクイチャーを踊って締めた。
イベントは実行委員会が主催し、宮古島市と多良間村、県宮古事務所が共催している。特別協賛は宮古毎日新聞社と宮古テレビ。
独自性のあるイベントを開催することでクイチャーを後世に絶え間なく伝えることが狙いで、圏域文化の掘り起こしも兼ねる。
大会長を務める下地敏彦市長(代読)は「雨乞いとして踊ったクイチャーは五穀豊穣(ほうじょう)を願いながら数多くの困難を乗り越えてきた先人たちの伝統文化」と文化的価値を強調し、「今年もこのフェスティバルを大いに盛り上げてほしい」と出演者の演舞に期待した。