生産量29万5600㌧見込む/19-20年産サトウキビ
2期連続30万㌧割れか/台風相次ぎ、生育が鈍化
宮古地区(宮古島市、多良間村)の2019-20年産サトウキビの生産見込み量が29万5680㌧になることが製糖各社の調べで分かった。上積みがなければ2期連続で30万㌧を割り込む。増えない要因は気象災害だ。強い台風による葉の裂傷で青葉の回復と展開に時間を要し、生育旺盛期の茎伸長が鈍化した。
19-20年産は、当初順調な生育を見せ、台風がない8月までは増産が見込まれていた。だが、同8日に台風9号の暴風域に長時間巻き込まれ、9月5日には13号が直撃。同21日にも17号が接近した。そのたびにサトウキビの葉がちぎれる裂傷被害が発生した。
頻発した台風で青葉の回復と展開に要する時間を確保できなかったほか、塩害が追い打ちを掛けた。この影響で、9月上旬から10月上旬にかけての1カ月は茎の伸長がほぼ止まるほど生育が阻害されたという。
今のサトウキビの品種は穂が出ないタイプがほとんどで、茎は伸び続ける。このため、今後の気象条件と収穫期の適宜調整で一定程度の増産は見込めるが、各社が立てた予想量を大きく上回る期待は小さい。
各工場の今期生産見込み量は、宮古製糖城辺工場が前期実績より3808㌧少ない9万2600㌧、同伊良部工場は同比2141㌧増の5万2000㌧、同多良間工場は前期並みの2万4880㌧、沖縄製糖宮古工場は前期実績比4175㌧増の12万6200㌧。
地区全体の生産量は前期並みが予想され、30万㌧に届くかどうかは今後の気象条件に左右されそうだ。
19-20年期製糖操業は12月9日、宮糖多良間工場を皮切りに始まる。同伊良部工場は同月19日、同城辺工場は来年1月7日に開始する。沖糖宮古工場は現段階で未定だが、年内操業を実施する可能性は低い。