宮古の生産概況を聴取/肉用牛経営者会議
全国の生産者が現地研究会/競り、肥育センター視察へ
全国肉用牛経営者会議現地研究会(主催・全国農業会議所)が18日、宮古島市で始まった。宮古島での肉用牛生産の概況を聞き取るほか、宮古家畜市場で開かれる肉用牛競り、生産農家の畜舎、JAの肥育センターなどを視察する。
現地研究会には栃木県、岐阜県、広島県など全国各地の肉用牛経営者ら20人が参加。初日は市役所上野庁舎で市畜産課から肉用牛生産の取り組みを聞いた。
全国肉用牛経営者会議の佐古保会長は「今回現地研究会を宮古島で開くことになった。いろいろなことを学び吸収できるのではないかと考えている。肉用牛の全般を見渡すと、ここ何年かは子牛が非常に高いということで良い経営ができている。しかし将来的には後継者不足、担い手不足ということで危惧せざるを得ない状況でもある。日本の宝である和牛を引き継いでいくためには、このような研究会を通していろいろな技術や情報交換をして今後の経営に生かしてほしい」とあいさつした。
市農林水産部の松原清光部長は「宮古島の農業はサトウキビ、畜産、果樹栽培などに取り組んでいる。宮古島の畜産農家は700人台で推移している。年間4500頭が競りに出され、購買者から高い評価を受けている。日米連携協定の発効で国内で肉用牛は800億円の影響を受けると言われており、厳しい現状もある。山積する課題を克服すべく宮古島の現地研究会で議論されることを期待している」と期待した。
市畜産課の山城幸二郎補佐が市の肉用牛生産の取り組みを説明した。2018年度の畜産生産額は億4000万円で、うち子牛が86%の31億1650万円を占める。子牛価格が高値で推移しているが「農家の高齢化や離農で農家戸数と飼養頭数の減少が顕著で、担い手育成と確保が急務」とした。また近年、外国からのクルーズ船の寄港が急増しており、家畜悪性伝染病の侵入が懸念され、防疫強化の必要性を指摘した。
19日は肉用牛競り、下地の生産農家荷川取広明さんの畜舎、JA宮古肥育センターなどを視察する。