宮古関係の3人が受賞/県文化功労者表彰式
【那覇支社】2019年度の県文化功労者表彰式が18日、県庁で開催され、宮古上布の砂川猛さん(80)=市平良=、宮古苧麻糸手績(う)みの源河サダさん(82)=市城辺=、宮古出身で県指定無形文化財「琉球歌劇」保持者の平良進さん=宜野湾市=ら、芸術文化の振興などに功績が認められた15人が表彰された。
砂川さんは、国指定重要無形文化財「宮古上布」で、布を木づちでたたいて表面を平らにする砧(きぬた)打ちの技術保持者。「長年、昔から宮古上布に関わってきた先輩たちや関係者のおかげと思っている。この仕事は、目と指、光の反射で(仕上がりを)確認できるもの。口で説明するのは難しい」と強調した。
今後については、「息子が13~14年やっているので、何とかやってくれると思う。次の世代がなりわいとして仕事ができるような仕組み作りが必要だ」と語った。
平良さんは、宮古で中学在学中に翁長小次郎一座に入団し、1982年に妻の平良とみさんと劇団綾船を旗揚げ。2012年度にNHKで放送された連続テレビ小説「純と愛」には、ヒロインの祖父役として出演した。元琉球歌劇保存会会長でもある。
表彰式後、平良さんは「宮古から出てきて役者として何かやってみたいという気持ちがあるので、きょうはとてもうれしいです」と語った。
源河さんは、国選定保存技術「苧麻糸手績み」の保存継承と研さん、後継者の育成などに尽力した。元友利苧麻緯糸手績み技術保存会長。
表彰式に、代理で出席した長女の金城勇子さんは「苧麻糸手績みは、祖母がやっていて母が継いだもので、とても難しい。(受賞は)娘としても、とてもうれしい」と述べた。
県文化功労賞は、1990年の創設。19年度受賞者の内訳は、三線や舞踊、琉球歌劇などの伝統芸能6人、宮古上布や首里織など伝統工芸3人、美術や短歌など芸術文化4人、文化財保護1人、空手・古武術1人。