新規就農へ 決意新た/県サポート講座
もうかる農業の担い手に
2019年度の宮古地区新規就農サポート講座が20日閉講し、修了証の交付を受けた受講者12人が新規就農に向けて決意を新たにした。同日は第6回講座も行われ、受講者が上野地区内の野菜や果樹のハウスを視察。「もうかる農業」を効率的に実践する先進農家の栽培技術の習得に努めた。
講座は県や市、JAなど関係機関で構成される「宮古地区農でグッジョブ推進会議」が主催して毎年開いている。就農を志す人を支援するため、品目別に栽培技術を指導したり、支援制度を紹介したりして農業で生計を立てる道筋を示していく支援型の事業だ。
担い手育成という成果は徐々に表れ始めており、宮古地区では毎年80人前後が新規で就農。県内他地区と比べてもその数は多い。
今年度の講座を締めくくる第6回講座のテーマは実際の農業の現場を学び、生産者の声を聞くこと。上野地区のゴーヤーやマンゴーハウスほか農業研究センター宮古島支所も回った。
県の野菜品評会入賞の常連で、2012年には農林水産大臣賞を取ったゴーヤー農家の渡真利兼さんのハウスでは、台風のリスクを背負いながらも万全な対策を講じ、人よりも早めに出荷して収益を上げることのメリットを学んだ。
受講者を前に渡真利さんは「今季も定植後に台風に見舞われたが、万全な対策で乗り切った」と強調。ゴーヤーのつるを着果棒から外して寝かせ、防風ネットで被害を最小限にとどめたという対策を伝えた。
その上で、当初は農業が大嫌いだったという胸の内を明かし、「やってみるとこんなに楽しいものがあるのかと思った。農業は皆さんが思っているよりずっと楽しいもの。しっかりやればもうかる」と自身の経験から農業の魅力を語った。
現地視察を終えると、宮古農村青少年教育センターに移動し、農でグッジョブ推進会議の名嘉真清美会長から修了証を受け取った。
野崎雅さん(21)は「農業は難しい。だからこそこの講座を受けたことは意味がある」と振り返り、「まだ成功していないけど、どんどん規模拡大したい。今後もたくさん失敗するとは思うが、いつかは成功すると思っている」と話した。
修了した受講者に名嘉真会長は「この講座で学んだことを基礎に、今後自分が何をやっていこうかということが見えてきた人もいると思う。次年度は自分が目指す方向に向かって取り組んでほしい」と話し、就農および定着に期待を込めた。