「承認の撤回は適法」/知事、辺野古抗告訴訟で
【那覇支社】玉城デニー知事は26日、米軍普天間飛行場の辺野古移設をめぐり県が行った埋め立て承認「撤回」の効力回復を求める抗告訴訟の第1回口頭弁論で「撤回は適法」などと意見陳述したほか、県庁でも記者会見を行った。
県は昨年8月、埋め立て承認の撤回を実施。沖縄防衛局は、これを不服として同10月に国土交通相へ行政不服審査法による審査を請求し、石井啓一国交相(当時)が今年4月に埋め立て承認の撤回を取り消す旨を裁決している。
玉城知事は、那覇地方裁判所での意見陳述で承認撤回の正当性を主張したほか、計画地には軟弱地盤があり埋め立て地として問題があるとも指摘した。2月の県民投票では、投票総数の7割以上が辺野古への移設に反対だったことなども強調した。
一方、国は最高裁判所の判例を引き合いに出し、今回の訴訟について「訴えが不適法」として却下するよう求めた。
出廷後に県庁で行われた会見で、玉城知事は「裁判所は、県民の民意と本気で向き合い、辺野古の埋め立て工事をめぐる一連の問題について実体的な審理を尽くして公正な判断をしてほしい」と語った。
県は7月、今回の裁判とは別に「国交相は、内閣の方針に従って辺野古の工事を進める政府の機関。同相の裁決は、選手と審判を兼ねているようなものであり公正さに欠けている」などの趣旨で、承認撤回の効力を回復させるよう求める裁判を福岡高裁那覇支部に提訴している。
同訴訟では、10月23日、同高裁那覇支部が「訴訟の対象になり得ない」として県の訴えを却下したが、県は判決を不服として最高裁判所に上告した。