「勇気持って断ろう」
夜回り先生・水谷さん
死を招く薬物乱用語る
夜回り先生として知られる水谷修さんによる薬物乱用防止講演会(主催・昭和39年生大同期会、県薬物乱用防止協会)が28日、平良中学校と北中学校で開かれた。全校生徒のほか父母らも参加し、水谷さんの講演に聞き入った。シンナーなどの薬物乱用の結果、生命を絶たれた若者たちとの実体験を話しながら、薬物使用に誘われたら「勇気を持ってノーと言わなければならない。断り切れなくなったら、明るい場所、人の多いところに向かって全力で逃げろ」と語った。
親との気持ちの行き違いで夜の世界にさまよい、近寄ってくる大人によって麻薬中毒にされ、売春を強要された結果、HIVに感染し、エイズを発症し死んでいった少女の話。貧困家庭で育った少年が小学生で暴走族とつるみ、シンナー中毒となり、幻覚の中でダンプカーに飛び込んで死んでいった話などを紹介した。シンナーに侵された体は火葬しても骨が残らない。灰だけとなった遺骨を骨壺に入れた場面や母親が泣きじゃくっていた様子を話すと、聞きながら涙ぐむ生徒もいた。
水谷さんは「皆さんは若い。これから長い人生が待っている。どんなつらいことがあっても生きて生きて生き抜けば必ず幸せが待っている。生きてください。皆さんが幸せな人生を送ることを祈っている」と呼び掛けた。