前年度比8.5%増/県民所得宮古島市
建設業の生産が大幅増/大型工事などが寄与
【那覇支社】玉城デニー知事は29日、県内市町村の2016年度「市町村民所得」(県民所得)などを発表した。1人当たり所得は、宮古島市が前年度比8・5%増の214万1000円で41市町村中32位(前期は33位)、多良間村は同23・3%増の226万4000円で25位(同38位)。16年度の「市町村内総生産」では、宮古圏域が同9・9%増と県内6地区中で伸び率トップだった。
1人当たりの市町村民所得は、企業などに雇用されている人が給料などとして得る「雇用者報酬」と企業の収入を示す「企業所得」、土地や株など有価証券からの「財産所得」を市町村ごとに合計し、人口で割って算出する。
県全体の平均は、対前年度比5・6%増の227万3000円。市町村別では、北大東村が478万4000円(前年度比17・5%増)でトップ。最も低かったのは、今帰仁村の163万7000円(同6・9%増)だった。
域内の経済活動で生み出された付加価値の合計を示す市町村内総生産では、宮古圏域が同9・9%増の1669億1700万円。伸び率では、県平均の4・2%を大幅に上回った。産業別で、建設業が同42・2%増と大幅に伸びたことが寄与した。
県の宮城力企画部長は、宮古圏域で建設業の伸びが大きかった理由として「宮古島市ではJTAドームや未来創造センター、多良間村では製糖工場などの整備が行われたことが要因」と述べた。
一方で、「宮古島市の中でも人口が増えている所と減っている所がある。人口が減少している旧過疎地域についての対策も、宮古島市などと協議を進めていきたい」と強調した。
市町村内総生産を個別の市町村ごとに見ると、最も多かったのは那覇市の1兆3891億円、次いで浦添市が4307億円。宮古島市は1602億円(前年度比9・2%増)で県内7位、多良間村は66億7300万円(同31・0%増)で32位となった。
県全体の総生産を示す「県内総生産」は、前年度比4・2%増の4兆2820億円だった。