宮総実チーム、漁連会長賞/駆除サメで「そぼろ」開発
【那覇支社】第25回県青壮年・女性漁業者交流大会(主催・県、県漁業協同組合連合会)が11月29日、那覇市の水産会館で開催された。宮古総合実業高校食と環境科フードクリエイトコース3年の川田妃奈さん、川満朋美さん、川満真綾さん、幸地優佳さんが「宮古島で駆除されているサメの有効活用に挑戦~サメそぼろを利用した魚離れの改善」と題して体験発表を行い、漁連会長賞に輝いた。
宮総実チームは、宮古の漁業者が国の予算で駆除しているサメが消費されていないことに着目し、サメ肉を有効に活用するための商品開発に取り組んできた。発表では、サメ肉を使った加工食品としてしょうゆ味、めんつゆ味、塩味などで「そぼろ」を開発した経緯を堂々と報告した。
発表後の質疑応答では「(沖縄本島の)北部ではアグー豚がブランド化されている。(同じように)サメのそぼろが道の駅などで販売できればと期待している」「(沖縄本島の)東海岸でもサメが多い。そぼろを作っているサメはどんな種類のサメか」など活発な質問が出て、関心の高さをうかがわせた。
また、大会の休憩時間には、開発過程で最も評判が良かったしょうゆ味の「そぼろ」の試食も行われた。試食した来場者からは「サメ臭さが全くない。マグロかなと思った」「おいしい。おにぎりやご飯に合いそう」「売れる」などの声が多く上がっていた。
宮総実チームは今後、原価計算などを行い、「後輩に引き継ぐかもしれないが」としながらも最終的には商品化を目指す。発表後、川満真綾さんは「商品化に向けては、まだまだ解決する課題が多くある。(今回使った)イタチザメ以外の種類のサメを使うなどの研究にも、取り組んでいきたい」と語った。
同校の平良淳校長は、「漁協から『駆除したサメをどうにか活用してほしい』と依頼を受けている。今年は、先輩が取り組んでいたものを引き継いでバージョンアップした。焦ることなく、良いものができればと」と強調した。