葉タバコ栽培始まる/2020年産
市内各地で一斉播種式/豊作祈願、目標反収226㌔
2020年産の葉タバコ栽培が3日、市内各地で始まった。旧市町村ごとに播種式が行われ、生産農家ら関係者が豊作を願いながら種をまいた。今期宮古地区の生産農家は115戸、栽培面積は456㌶。目標反収(10㌃当たり収量)を226㌔に定め、前期減産からの巻き返しを図る。
この日は平良、城辺、上野、下地、伊良部の各地で播種式があった。前日2日には多良間村で行われており、宮古地区内すべてで葉タバコ栽培が始まった。
地区別の生産農家戸数と生産面積は▽平良13戸、44㌶▽城辺32戸、150㌶▽下地28戸、112㌶▽上野25戸、100㌶▽伊良部8戸、29㌶▽多良間9戸、22㌶-となっている。
市内最大産地の城辺地区の播種式は午後2時から城辺比嘉の育苗ハウスで行われた。城辺葉たばこ生産振興会の池田盛健会長は「少し農家は減ったが、今の32人が一丸となり、チームワークを発揮しながら生産振興を図ろう」と強調。「安定的な収入のためにも、県の目標(226㌔)反収を達成したい」と話した。
来賓出席した市農林水産部の松原清光部長は「前期の葉タバコは収量の面で厳しい年だったが、品質は良好だった。これは農家の栽培技術が向上していることの表れ」と評価し、「今期は反収アップにより前期作を上回る収量になることを期待している」と述べた。
JAおきなわ城辺支店の下地秀虎支店長や日本たばこ産業沖縄地方原料本部の杉田秀人課長代理も来賓あいさつに立ち、質、量ともに前期実績を上回る豊作に期待を込めた。
この後、生産者、関係者全員で今期作の開始を祝って乾杯。ガンバロー三唱で気持ちを引き締めた。
播種式を終えると、生産者が育苗ハウス内で種をまいた。小さな種を混ぜ込んだ砂を苗床にまき、20年作の葉タバコ生産に向けて決意を新たにしていた。
葉タバコ栽培は今後、1月中旬ごろに本畑に苗を移植する。収穫は早いところで3月下旬ごろ始まる。
葉タバコの前期実績は収量が1058㌧(買い入れ重量)で、販売額は21億4900万円だった。収量は落ちたが、平均キロ単価は2029円と高く、品質面では上々の実績だった。