キビ交付金1万6860円/20-21年産
前年と比べ130円増加
政府・与党 2年連続引き上げ
2020-年産サトウキビ代金の7割強を占める国の交付金が前年比130円増の1万6860円(1㌧当たり)に決まった。2年連続の増額となる。20年末に確定する工場買い取り価格と合算して最終的な農家手取り額が決まる。交付金は4日午前にあった自民党の野菜・果樹・畑作物対策委員会で了承された。
サトウキビ代金(手取り額)は、国の交付金と製糖工場が買い取る価格(原料代金)で構成される。
国の交付金は昨年5年ぶりに増額され、210円上積みの1万6630円に改定された。国はさらに10月の消費増税対策として年度途中に100円を加算、19-20年産の最終的な国の交付金は1万6730円まで引き上げられていた。
今回決まった20-21年産も増額となり、農家の手取り額上昇が期待される。ただ、年末に決まる工場の買い取り価格が出るまでは収入が上がるかどうかは分からない。買い取り価格は砂糖の国際相場によって変動する仕組みで、この価格の増減によって農家の手取りも浮き沈みする。昨年は交付金の増額分以上の下落があり、結果として農家の手取りは減額している。
今期19-20年産のサトウキビ代金は標準的な糖度で2万1682円。宮古地区全体の生産見込み量は29万5680㌧で、2期連続で30万㌧を割り込む可能性がある。台風が相次ぐなど気象条件に恵まれず、生育が阻害されたとみられる。
製糖操業は9日、宮古製糖多良間工場を皮切りに始まる。同伊良部工場は同月19日、同城辺工場と沖縄製糖宮古工場は来年1月7日にそれぞれ開始する。
キビ交付金増額政府決定に感謝
玉城知事がコメント
2020-21年産サトウキビ代金で、国の交付金が130円増の1万6860円(1㌧当たり)に決定したことを踏まえ、玉城デニー知事が同日、コメントを出した。政府の配慮に感謝するとともに、「増産に取り組んでいく」とした。
玉城知事は「今回の決定に当たっては、サトウキビ農家が意欲をもって生産に取り組むとともに、製糖工場の経営安定に資するよう政府に配慮していただいたと理解している」と感謝を込めた。その上で「国の関係機関と連携しながら、地域が一体となって増産に取り組んでいく」とした。