伊良皆村長の不信任案提出/多良間村議会
新製糖工場問題めぐり/採決で5人「賛成」も否決
【多良間】多良間村議会の野党議員4人は12日、多良間製糖工場などをめぐる一連の問題で伊良皆光夫村長の不信任決議案を同村議会(森山実夫議長)12月定例会の最終本会議に提出した。採決の結果、「賛成」が4分の3には達せず否決された。伊良皆村長は議会閉会後、マスコミの取材に対し「不信任案が提出されたのは私のこれまでの発言、行動の不足から起こったもの。反省し、今後はさらに業務に励んでいきたい」と述べた。
伊良皆村長の不信任案は閉会直前に緊急動議として提出され、野党の賛成多数で議案に追加された。
不信任案を提案した本村健次氏は、新製糖工場にかかわる本土企業からの1億円余の追加費用請求問題を挙げ「支払い義務を認めながらも村民への謝罪もなく、その責任所在についての明言を避け責任を曖昧にしている」と理由を述べた。
また、宮古製糖との使用料問題についても「弁護士費用や追加費用などを会社側に押し付け、協議を難航させる原因となっている」と指摘した。
さらに本村氏は、同問題に対する議員の責任追及に対しても「『すべてが終わるまではどこに責任があるか分からない』などと、村長として無責任な答弁を繰り返している」と主張。「独断的な行政運営をしており、住民の利益を優先する行政運営をしているとは到底言えない」と伊良皆村長の姿勢を批判した。
不信任案反対の立場で討論した福嶺常夫氏は「村民、議会とも島の振興を考えなければならない。このような混乱を引き起こすことは認めない」と述べた。
賛成の立場から豊見山正氏は「議会でも議員を見下すような発言が見受けられた。村長にはふさわしくない」と述べた。
採決の結果、森山議長を含む7人のうち5人が「賛成」したものの、議決に必要な4分の3(6人)に達しないため、村長不信任案は否決された。