3年連続の3010億円/沖縄振興予算
一括交付金は7.3%減/市町村事業に影響も
【那覇支社】政府は20日、2020年度予算案を閣議決定し、沖縄振興予算は3年連続の3010億円となった。一方で、使途について自治体の自由度が高い一括交付金は前年度比7・3%減の1014億円となり、6年連続して減額が決まった。
沖縄振興予算をめぐっては、県は今年夏の段階で総額3500億円規模、一括交付金1800億円程度を要望していた。内閣府は、8月の概算要求で県の要望より少ない総額3190億円を求めていたが、満額は認められなかった。
20年度の沖縄振興予算案のうち、一括交付金の内訳は、ソフト交付金が同7・0%減の521億7300万円、ハード交付金は同7・6%減の491億8300万円。
一括交付金が減額されることで、市町村へも影響が出るとみられる。ソフト交付金が宮古島市に配分された額は、19年度の基本枠で前年度比7・0%減の6億5300万円。20年度も、引き続き減額となる可能性が高い。
予算の総額が同額となる一方で、離島市町村の先導的な事業を支援する「沖縄離島活性化推進事業」は、同23・3%増の14億8000万円、「沖縄子供の貧困緊急対策事業」には、同9・8%増の14億3700万円が計上された。
「沖縄製糖業体制強化対策事業」は、同0・9%増の11億8300万円。このうち、県産黒糖の需要拡大・安定供給体制確立の実証事業は新たに3800万円が盛り込まれた。
同実証事業では、「黒糖の需要や流通状況の調査」、「黒糖の適正な保管調整管理の仕組みの構築、実証」「海外ニーズを踏まえた商品開発や販売戦略の確立による需要拡大など、販売部門の強化」を行うとしている。
小規模離島について海底送電ケーブルや超高速ブロードバンド環境の整備を支援する「沖縄小規模離島生活基盤整備推進事業」には、新たに10億6900万円が計上された。
泡盛製造業の自立的経営を促進するため、モデル事業の実施により事業者が行う海外販路開拓などの取り組みを支援する費用としては同26・8%増の1億4200万円を計上した。